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Voice ~対談から見える健康管理のヒント~ vol.04 株式会社ニッセン 様

vol.04 株式会社ニッセン 様

 

健診は合否判定のゴールではなく健康づくりのスタート

企業経営で重要な従業員の定期健康診断。ICTを活用し健診結果や診療情報を受診者自身が管理するPHR(パーソナルヘルスレコード)は、健康意識の向上や企業の業務負担軽減が期待されるものとして、徐々に浸透してきています。今回は武田病院健診センター営業部の藤岡課長代理、岡田副主任が京都市南区の株式会社ニッセン様にお邪魔し、人事部人事チームの八木 千晶様(マネージャー)、労務チームの羽澤 光様(健診ご担当)から、PHRの活用など様々なお話を伺いました。

 

様々なシーンに寄り添う独自の商品づくり

株式会社ニッセン 人事部人事チームマネージャー 八木 千晶 氏

藤岡 カタログ通販と言えば、まず名前が浮かぶのが「ニッセン」様です。私もお世話になっています。近年はネット通販にシフトされているのが印象的ですね。

八木 ありがとうございます。お客様のニーズに合わせてお買い物ができるように、紙媒体はもちろんデジタルカタログやアプリなどをご用意しています。お買い物体験だけではなく商品に関しても、お客様のニーズに合わせ、例えばプラスサイズファッションブランドのSMILE LANDや、まるで猫のような手触りのインテリアファブリックブランド猫Feelなど、お客様の“欲しい”に合わせて多くのブランドを展開しています。

藤岡 欲しいものを探していたら、このブランドが実は「ニッセンだった!」ということが何度もありました。ニッセン様のラインナップはとても広いのですね。

 

八木 お客様の「あったらいいな」という想いに寄り添うことをミッションとしていますので、例えば、ブラックフォーマルでも、トラディショナルなセット商品から個性を活かせるデザイン性の高いスーツまで様々なコンセプトで展開しています。

藤岡 乳がんの方向けの女性用下着もラインナップされていて驚きました。

八木 インナーのHeartyell(ハートエール)ですね。お客様の声から誕生したブランドで、「寄り添う」をコンセプトに手術直後のデリケートな時期や通院・検査など普段の生活をサポートする商品です。

 

 

 

 

働きやすい環境整備は信頼関係の醸成から

藤岡 通販はとくにパラダイムシフトが急激な分野だと感じています。そうした変化に対応し、進化を続けていくのも従業員様あってのことと思います。手厚い対応を行うなど、非常に従業員様を大切にされている印象ですが、具体的にどのような取り組みをされているのでしょうか。

八木 何より働きやすい環境を整えることだと考えています。例えば、入社したての方は有給休暇が付与されませんが、実際には育児や病気などお休みが必要なこともあります。そうしたケースも考え「ライフサポート休暇」を通常の有給休暇に加えて用意しています。また、最近話題となっている男性の育児休暇の取得も積極的に薦めています。

武田病院健診センター 営業部 岡田 賢一

藤岡 取得しやすい環境を整えておられるのですね。

八木 昨年1ヵ月、今年2ヵ月の育児休暇を取得した男性従業員の例もあるのですよ。

藤岡 驚きました。それだけ理解が進んでいるのですね。

八木 実は当社でも、男性の育児休暇やライフサポート休暇の導入当初は、世代間の温度差がかなりあったのです。とは言え社会は大きく変化しています。介護や出産・育児などをサポートする環境を整えることが企業にも求められています。これを、従業員一人ひとりが理解できるよう努力してきました。

岡田 そうした企業に対しては「働いて返していこう」という気持ちが湧いてきますよね。

八木 そうしたものを期待しているのですが、まずは「困っている方には手を差し伸べないといけない」との考えでこの取り組みに臨んでいます。

岡田 「制度だから」といったドライなものではなく、気持ちを育む土壌づくりが大切ということですね。

八木 仰る通りです。どうしても世代間で認識の違いは起こりやすいものですが、お互いを理解する様々な機会を設けるなど、まずは信頼関係をつくることを重視しています。それがなければ個別のサポートはできません。本来、部門長が行う業務なのかも知れませんが、必要に応じて人事部もサポートしています。

藤岡 そうした環境づくりが心身の健康につながるのだと感じます。

 

オプション検査を積極導入し従業員の健康を守る

株式会社ニッセン 労務チーム 羽澤 光 氏

藤岡 従業員様のご健康についてはどのような取り組みをされているのでしょうか。

八木 従業員の健康を守ることはとても大切です。実は15年ほど前、従業員が胃がんで亡くなることがありました。経営層も衝撃を受け、健診を見直そうとの考えに至りました。胃部検査を健診メニューに加え会社負担することにしたのです。

藤岡 病気を未然に防ぐという健診の大切さを実感されたのですね。

八木 はい。会社で費用負担することでレントゲン撮影だけでなく胃カメラなどのオプション検査を積極的に受けられるように整備しました。

岡田 最初はバス健診でしたが、オプション検査を充実させるには施設健診が必要だと考えられたのですね。

八木 そうです。それに2012年に本社オフィスを吉祥院から現在地へ移転するタイミングでもありましたので、近隣の武田病院健診センターさんで直接、受診しようということになりました。

 

藤岡 それ以降の健診で変化はありましたでしょうか。

八木 従業員の平均年齢の上昇もあるのかも知れませんが、やはり「がん」が見つかることが多くなってきていると感じます。

羽澤 先ほどの血液検査の数値が良くないから、すぐ戻ってきて欲しいなど、武田病院健診センターさんから連絡をいただくこともあります。そうした時は、すぐ受診できる近隣で良かったと思っています。

 

藤岡 歩ける距離なのも大きなメリットということですね。ところで従業員の皆様はとてもご多忙と思いますが、健診が受けやすいよう何か工夫はされているのでしょうか?

八木 制度面で言えば、もちろん業務時間で受診できるようにしていますし、リフレッシュしていただけるよう受診後に有給の取得も推奨しています。制度ではありませんが、気持ちよく受診してもらえるよう案内には個々にメッセージを添えていたりもします。

藤岡 それは“ほっこり”しそうです。受診率は100%ですが、その後のフォローはどのようにされているのでしょう。

羽澤 それが大きな課題となっています。経過観察や要精密検査となった方にどのようにフォローしていくか、今、本格的に取り組んでいこうとしているところです。

岡田 700名もの方が対象となると、その業務量もかなりになりそうですね。

八木 仰るようにかなりの業務量となります。毎月、誕生日の方が健診の対象で、その結果を一生懸命追いかけています。乳がん検診については負担上限があり、会社で費用負担をするのですが、個人で窓口で支払われた後、会社に経費精算をされるのでその手続きもなかなかの業務になります。

藤岡岡田 想像以上に大変なのだと感じました。当方の請求方法等で業務の負担軽減が図れないか、持ち帰って検討してみたいと思います。

八木羽澤 是非、お願いします。

 

健診アプリ「NOBORI」でDX化

武田病院健診センター 営業部 藤岡 早苗

八木 業務量の面では、健診結果のペーパーを従業員に手わたすのも実は大変です。健診結果は重要な個人情報ですので、本人に直接手渡して受領印をいただいています。これを完了させるのも時間を要します。

藤岡 個人情報に関わる業務はとても気を遣いますよね。ずっと預かったままになるのは精神的なご負担にもなりそうです。この点、ペーパーレス化につながる健診アプリ「NOBORI」はお役に立てそうです。

八木 ご紹介いただき、すぐに導入したいと考えました。従業員が自身で情報管理するため、ペーパーレス化、業務量の軽減につながります。

藤岡 昨年度は約40%もの従業員様に導入いただきました。実はDX(デジタルトランスフォーメーション)化による効率化も大きな狙いだったのですね。

八木 はい。そうした面でも大きなメリットを感じ、積極的に導入を呼びかけました。もちろん使ってみれば便利なので、従業員のメリットも大きいと感じています。

羽澤 スマートフォンさえ持っていれば、受診時、お医者さんに手軽に見せることが出来るので便利です。紙媒体と違って、紛失することがないのも良いですね。

藤岡 はい。PDFで保存・出力することもできますし、受診先の病院のモニターに画像を映し出すことも可能ですよ!

八木 レントゲンなどの撮影画像が見られるのも良いですね。年齢層が高い従業員には導入が難しいと思われるかも知れませんが、我々はネット通販を扱っていることから世代に関わらずアプリへの抵抗感がありません。ですので、スムーズに導入が進んだのだと思っています。

藤岡 そうですよね。自身の健康情報を持ち歩くということが”あたりまえ”の生活になるようPHR(パーソナルヘルスレコード)の普及に貢献したいと考えています。先ほど話題に挙がった”受診後のフォロー”等にも当アプリを活用ができないかと考えています。

八木 健診後の要精密検査の方にポップアップでお知らせがくるといいですね!

藤岡 そのあたりも検討していきますね!また今年度の健診でどれだけ導入数が伸びるのか楽しみです。何より、健康情報を自身で管理するPHRに取り組んでいただくことで、日頃の健康づくりの意識づけになってもらえればと思っています。

八木・羽澤 そう願います。

 

健康投資で従業員の活力向上・企業の生産性向上へ

藤岡 他にも健康づくりで取り組んでおられることはありますでしょうか。

羽澤 全館禁煙に取り組んでいるほか、衛生委員会で健康診断の必要性を呼びかけたり、そのための資料を独自に作成しています。

八木 京都本社には、株式会社ニッセン以外のグループ会社の社員もいます。健診はもちろん、コロナやインフルエンザの予防等様々なテーマを発表し、多くのグループ従業員に議事録、資料を見てもらっています。

岡田 グループ会社も多いですから、お一人おひとりの従業員様に効率良く発信できるよう工夫をされているのですね。

羽澤 はい。今後は、健康情報を発信するだけでなく、自身に向き合う時間をちゃんと持ってもらえるようにしていきたいと思っています。

 

八木 実のところ、健診を受けることが合否判定のように受け取られがちなのが問題だと考えています。結果を受け取ることはゴールではなく、そこからが健康づくりのスタートだと思っています。

岡田 まさにその通りだと思います。

八木 先日、全国健康保険協会さんから「健診後の保健指導・健康相談」についてお話をいただいたところです。また、武田病院健診センターさんにはご協力をいただきたいと考えています

岡田 仰るように健診後も大切ですので、是非、ご相談ください。

 

羽澤 やはり「健康経営」がキーワードです。我々は健診をはじめ健康に対する投資をすることで従業員の活力が向上、それで生産性も向上していくことを目指しています。

藤岡 当方も色々な面でご協力させていただければと思っています。本日は貴重なお話をたくさん頂戴しありがとうございました。

 

 

 

※文中敬称略

 

株式会社ニッセン

https://info.nissen.co.jp

 

本社・本店(本社オフィス)

〒601-8412 京都市南区西九条院町26番地

グループ会社

株式会社ニッセンホールディングス

株式会社ニッセンライフ、 ニッセン・クレジットサービス株式会社

株式会社アド究舎、株式会社SCORE、株式会社マロンスタイル、株式会社u&n

上海妮尚商贸有限公司

 

■従業員数

ニッセン全体1,010名(男性201名、女性809名) ※2024年4月1日現在

 

■事業内容

1970年に京都で創業。婦人服・インナーウェア等を中心とした衣料品やインテリア、雑貨、化粧品、食品等多様な品目を取り扱う総合通販事業と、通販ノウハウを活用したビジネスサポート事業を行っています。

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