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Voice ~対談から見える健康管理のヒント~ vol.05 京セラ株式会社 様

 vol.05 京セラ株式会社 様

 

『健診』は一人ひとりの社員に寄り添う業務

近年、企業経営における重要ファクターとして考えられるようになった健康経営。「少子高齢化による働き手不足」や「生涯現役社会構築の必要性」「予防・早期治療による医療費・介護費の抑制」など、様々な課題を背景に政府主導で企業に普及・推進が行われています。今回は武田病院健診センター営業部の藤岡課長代理が、「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」を経営理念に掲げ、健康経営を推進されている京セラ株式会社にお邪魔し、同社本社 総務人事本部 環境安全部 安全防災部  山本 様、清水 様から独自の取り組みについてお聞きしました。

(左)健診センター 藤岡   (中)京セラ株式会社 本社 清水 氏 (右)京セラ株式会社 本社 山本 氏

 

 

トータル・ヘルスプロモーション・プランの実践

藤岡 「健康経営」と聞いてまず思い浮かぶのが京セラ株式会社様です。とくに、掲げられた経営理念の『全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること』は、健康増進を医療面で支える私たちにとって、とても響く言葉です。

山本 ありがとうございます。京セラグループでは、創業当時より、『全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること』を経営理念に掲げ、経営を行って参りました。この経営理念を実現するためには、従業員の心身の健康が必要不可欠であることから、京セラグループとして、総合的な健康増進活動『トータル・ヘルスプロモーション・プラン(THP)』に取組み、健康経営を実践しております。

藤岡 THPのなかでも京セラ株式会社様独自のプランという訳ですね。具体的にはどのようなことに取り組んでおられるのでしょうか。

清水 身近な例では、食堂メニューのヘルシー化、売店・自動販売機での特定保健用食品・無糖商品の販売強化、正しい食事に関する啓発活動などですね。

藤岡 食事はとても重要ですね。運動面ではいかがでしょうか。

清水 階段の『2up3down』運動の推進が代表でしょうか。運動習慣を身に付けるための啓発活動を行っています。

京セラ株式会社 本社 総務人事本部 環境安全部 安全防災部 山本 氏

藤岡 運動習慣を身につけるのは重要課題の一つですね。啓発活動の目玉としては、イベント的な取り組みもあるのでしょうか。

清水 厚生労働省が定める9月1日~9月30日の「健康増進普及月間」に合わせ、同期間を「京セラグループ健康増進月間」と位置づけ、THPの取組みのアップデートを検討するとともに、各種関連教育や啓発活動等を行っております。

藤岡 その教育や啓発活動というのはどのようなものでしょうか。

清水 教育コンテンツの充実は、この健康増進月間に合わせ、取組んでいるアイテムの1つです。食事や運動、睡眠に関するテーマなど、外部の教材も活用し、社員に向けた情報発信等を行っております。また、アンケートや視聴回数等で効果を確認しており、多くの社員に利用いただき好評をいただいておりますが、一方で、社員の健康に対する取組みの効果を定量的に図ることの難しさも感じている状況です。

 

藤岡 複数の取り組みを並行されていると定量評価は難しくなりますよね。他にもTHPの推進にあたり、ご苦労された点や工夫点などありますでしょうか。

京セラ株式会社 本社 総務人事本部 環境安全部 安全防災部 清水氏

山本 これまで各種THP活動に取り組んで参りましたが、健康診断における有所見者の増加や、社内の喫煙者率の高止まりなどが見られ、これらの課題の解決が必要と捉え、対策の検討を進めています。

藤岡 どの企業様からも禁煙はなかなか難しい課題とお聞きしています。

山本 皆さんご苦労されているのですね。喫煙対策につきましては、喫煙者自身の健康障害の防止並びに受動喫煙による非喫煙者の健康被害防止を図る必要があると考え、2020年4月から屋内全面禁煙、2022年4月から敷地内全面禁煙としました。合わせて、喫煙による健康被害に関する情報発信や、禁煙外来補助金制度、各種禁煙アイテム等の紹介により、社員の方々の禁煙サポートへの取組みを行っています。

藤岡 禁煙外来は当グループも積極的に取り組んでいるところです。ともかく「これ」という決定的な対応策があるのではなく、様々な取り組みを重ねていく必要があるのだと感じます。

山本 仰る通りです。推進する衛生担当スタッフの一人として、一つひとつ地道に活動を継続していくことの重要性を感じております。

本社内 カフェテリア「mimosa terrace」

 

100名超の衛生担当スタッフが地道な取り組みを継続実践

藤岡 こうしたTHPを推進する衛生担当の方は社内にどれぐらいおられるのでしょうか。

山本 工場毎に安全防災部門があり、THPを主たる業務としている衛生担当者が38名です。また、法に基づいた、産業医や看護師等にも活動いただいており、これらのスタッフが63名で、衛生担当者と合わせると、合計で101名です(2023年度末時点)。

藤岡 100名を超える陣容なのですね。社員様の数も多いですから、それだけのマンパワーが必要なのが分かります。推進されている取り組みに対してどのような声があったのかとても興味があります。

本社内 カフェテリア「mimosa terrace」

清水 2023年度は、食事・運動・睡眠に関する動画教育を実施し、効果の確認として、視聴後にアンケートを実施いたしました。社員からは、「改めて意識付けをする良い機会になった」「自分自身の生活習慣を見直していきたいと思った」等、自分自身の生活や健康を振り返る良いきっかけになったとのコメントをいただいております。

藤岡 普段はとてもお忙しくされていると思いますので、良い機会として受け取っていただいているのですね。

清水 はい、アンケートでは、「非常に良かった」「良かった」「普通」「あまり良くなかった」「良くなかった」の5段階で評価を確認しており、2023年度は全体の73%が、「非常に良かった」から「良かった」と好評をいただいております。

藤岡 社員様のほぼ3/4が好評なのですか。定量的に計るのは難しいとのことでしたが、そうした様々な活動が上手く積み重なって、実を結んできているように感じられます。

 

さらなるステップアップへ 次の目標はホワイト500

本社内 カフェテリア「mimosa terrace」

藤岡 健康維持・増進で重要な健康診断ですが、多くの従業員数を管理されるのは本当に大変な業務だと思います。

山本 健康診断については、事前の準備や問診票の配布等、本社在籍人数 約2,300人と大人数の社員の対応が必要となります。

藤岡 本社だけでも大変な管理コストを要するのが分かります。これに加えて健診後にもフォローが必要ですよね。

山本 はい。主に健診後にいただく社員からの声(意見、改善案等)への対応も、大変苦労の多い業務であると感じております。

藤岡 普段から色々とご対応させていただく中で、そのご苦労・大変さはいつも感じております。

山本 ありがとうございます。ただ、武田病院様のスタッフの方々にもご協力いただき、毎年、改善を重ねることでより良い健診になっていると考えています。何より健診については、社員の考えや思いを直接受け取れる場として、非常に重要なものであると考えており、1年を通した衛生業務のなかで、最も一人ひとりの社員に寄り添って仕事ができる機会だと感じています。

藤岡 お一人おひとりの社員様に寄り添うのが、健診の取り組みというのは、本当に嬉しいお言葉です。実際、その方の人生に関わる大切なものですので、あらためて健診の重要性を感じます。健康診断を受けられた従業員様からはどのようなお声がありますでしょうか。

山本 そうですね。自分自身の健康について見直す機会になった、生活習慣を改善できた等、ご自身の健康に関する声だけでなく、昨年よりスムーズに健診が受けることができた、毎年健診方法が改善されている等、運営に係る声をかけていただくこともあります。

清水  一方で、不備や不手際に関する厳しいコメントをいただくこともありますので、引続き、社員の皆さんがスムーズに健診を受診し、結果がご自身の健康増進のお役にたてるような運営をしていきたいと考えております。

藤岡 私たちもそのお手伝いができれば嬉しいです。また、健康診断に対しご希望などがあればぜひお聞かせください。

山本 簡単にできるものではないかもしれませんが、DX(デジタルトランスフォーメーション)やAI(人工知能)の技術を活用し、問診票のデジタル化や健診結果の見える化・解析等、健診業務に係る業務効率の向上を図るだけでなく、社員の方々の健診結果をデータ化・蓄積・解析することで、一人ひとりの健康状態に則した健康管理サポート等に繋げることが出来ればと考えております。

藤岡 まさに日本が誇るハイテク企業ならではの、『未来をリアルに感じる』ご意見だと感じます。とくにAIによる解析につきましては、当グループの医師からもたびたび様々な意見をいただいているところで、一日も早く、そうしたことが実現されるようになればと思っております。健診のデジタル化に関しても、今後ご相談させていただければと思います。最後になりますが、次の目標についてお聞かせください。

清水 現在、弊社は健康経営優良企業には選定いただいておりますが、次のステップとして『ホワイト500』の認定取得ができればと考えております。

 

藤岡 「健康経営優良法人認定制度」で顕彰を受けた企業のなかで、大規模法人部門の上位500社ということですね。我々も出来る限りご支援させていただきたいと思います。本日は多くの貴重なご意見をありがとうございました。

 

※文中敬称略

 

 

 

 

京セラ株式会社

https://www.kyocera.co.jp

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〒612-8501 京都府京都市伏見区竹田鳥羽殿町6番地

 

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京セラインダストリアルツールズ株式会社

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■従業員数

京セラグループ日本国内28,555名 (2022年度時点)

(男性:22,941名、女性:5,614名:女性比率:19.7%)

※京セラグループ従業員数 81,209人(2022年度時点)

 

■事業内容

1959年にファインセラミックスの専門メーカーとして京都で創業。他社ではできないと言われた難しい仕事を引き受け、「ものづくりに懸ける熱い思い」と「挑戦する姿勢」で、困難な壁を幾度となく乗り越え、現在ではファインセラミックスの世界的リーディングカンパニーであり、同時に幅広い事業を多角的に展開するグローバル企業となっています。

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