vol.01 TAKAMI HOLDINGS様
「がん検診」の受診率引き上げが全国的な課題となるなか、京都では、乳がんが全国36位、子宮頸がんが全国43位と非常に低迷しています。こうしたなか、ブライダル分野で全国に知られるTAKAMI BRIDAL(本社:京都市)様は、従業員の婦人科健診受診率が90%を超えるなど、際立つ取り組みを行っています。今回は武田病院健診センター営業部の藤岡課長代理が、きらびやかな同社にお邪魔し、取締役の五木田 紀子様、人事部の閨 美菜絵様から、健診に対するお考えを幅広く伺いました。
雇用形態に限らず全女性従業員に「婦人科検診」の受診を薦める
藤岡 TAKAMI BRIDAL様といえば貸衣裳などブライダル分野でとても有名ですね。まず会社の特徴についてお聞かせください。
五木田 創業はちょうど100年前の1923年です。呉服の卸からはじまり、その後、婚礼衣裳の製造・卸を中心に手広く商を行ってまいりました。現代的なブライダル事業に本格的に取り組んだのは実は2000年代に入ってからなんです。
藤岡 目の前には素敵なウエディングドレスが並んでいますが、事業は和装からのスタートなのですか。婚礼の花と言えば、白無垢やウエディングドレスですが、その際にはフィッティングが必要となりますよね。
五木田 そうなのです。そのため当社では、婚礼衣裳に従事する「スタイリスト」が社内全体の7割を占めており、全従業員の9割が女性です。また、関連会社として東京都でイタリアンレストランを経営しているなど、体に良いものをご提供し、食育を推進していこうとトップが旗を振っています。そうしたウエディング事業だけでなくライフスタイル分野への取り組みが社員の健康への思いが高まっていると感じています。
藤岡 時代に合わせた事業展開とともに従業員様の健康への意識も高まっているのですね。貴社では婦人科健診の受診率が9割を超える方が実施されています。従業員様を積極的に支援される何か特別なプログラムをされているのでしょうか。
五木田 目標数値を立てて、健診率を上げていこうといったものはありません。取引先から、『全従業員に婦人科検診を薦めている会社さんってあまりありません。ぜひ、アピールした方が良いですよ』とアドバイスされ、そこではじめて気付いたぐらいです(笑)。
藤岡 働きやすい職場づくりの一環として、健診を行っておられた結果だったのですね。
五木田 そうですね。健康診断はもちろん、婦人科検診の費用も全額補助しており「受けたい方は雇用形態や健康保険への加入・未加入に限らず全員受けてください」というスタンスで行っています。勤怠管理もスマホでできるようになっており、仕事中に健診に行く、健診後に出勤する、健診して直帰するなど、従業員の働き方に合わせて対応できるようにしています。
藤岡 業務調整や費用負担などマネジメント面で健診を支えられているのですね。
企業健診は会社の姿勢の顕れ 従業員は健診を頼りにしている
藤岡 健診を行っていて、何か効果を感じることはありましたでしょうか。
五木田 婦人科健診の効果と言えるかは分かりませんが、当社の志望者数は増加しています。『お客様だけでなく、社員も大切にしていると明言する会社は多くないので、そこに惹かれました』と言ってくださる学生さんも多いです。
閨 私自身も会社説明会で健康診断だけでなく婦人科検診にまで補助が出ることに魅力を感じていたひとりです。(笑) 周りの友人に話しても手厚いサポートに驚かれます。
藤岡 『従業員様を大切にする』という会社の姿勢には色々なかたちがあると思うのですが、健診は目に見えるので伝わりやすいのではないでしょうか。
五木田 そう思います。従業員から「言葉で言ってるだけで何もやってくれない」なんて言われないよう、さまざまなことを考えながら推し進めています。
閨 コロナ禍の初期に健康診断を実施できなかった年があるのですが、その時は従業員から多くの苦情を受けました。
五木田 『なぜ今年は実施しないんですか?』とたくさん問合せが入り、ひとりひとりに説明するのが本当に大変でした。1年に1回の健診を社員は凄く頼りにしているのだと実感した出来事です。
藤岡 従業員様を守ろうとの判断が思わぬ反応となったのですね。健診を提供する私達にとってはとても嬉しいお話です。
五木田 乳がん、子宮頸がんなど、何らかの発見が毎年ありますので、この健診がなかったらと思うと怖いと感じています。
藤岡 その不安を少しでも解消できるよう、私たちが貢献できているのでしたら本当に嬉しいです。
五木田 ストレスチェックの結果でも、業務的にはストレスを抱えている従業員も多い結果でしたが、上司や同僚のサポートや、相談しやすい環境など『周囲のサポートに関する項目』ではポイントが高く、結果としては、同じサービス業界のなかで平均値以上の結果となったので良かったと感じています。
世界中の人を幸せに 高まる健康への想い
藤岡 TAKAMI BRIDAL様には、当センターが提供しているPHR・医療情報共有アプリ「NOBORI」を導入いただいています。使用されている皆様のご評価はいかがでしょう。
閨 導入させていただいた健診アプリですね。便利でとても評判ですよ。結果がすぐ見られますし、前年との結果が比較できるのもいいと思います。私が使ってみて、とくに凄いと思ったのが、CT撮影など高解像度の画像を見られるのが良かったです。こうしたサービスは他で見たことがありません。それに紙媒体ではこうはいきませんね。とても綺麗な画像で良いと感じています。
藤岡 ありがとうございます。多くの企業様から好評を得ています。こうした検査データは健診部門だけでなく、医療分野とも連携できます。スマホでご自身の健診・医療データを自分で管理できるうえ、診療先の医師にもお見せできるのも大きな特徴です。健康意識の高い貴社の従業員様にはより効果的にご利用いただけそうですね。
五木田 健診では今回、30代の女性従業員に乳がんが見つかったのです。『健診がなかったら発見できませんでした』とご家族からも感謝の言葉をいただいています。治療はこれからなのですが、本当に婦人科検診をやっていて良かったと、あらためて感じました。
藤岡 お話を伺っていて、100年続くのにはそれだけの理由があるのだと感じました。お客様はもちろんのこと、本当に従業員さんを大切にされているのですね。
五木田 まさに今年は節目の年です。私たちはブライダルを中心とし、その後も、例えばお子さんが産まれて七五三を迎えるなど、節目節目の晴れの日を応援するため、ブライダル以外にもレストランやジュエリーなどライフスタイル分野で幅広く事業を展開しています。海外進出もしており、企業理念である「世界中の人々を幸せに」を合言葉に、高見株式会社の「おもてなし」「ホスピタリティ」をお届けしたいと考えています。
藤岡 良いお話が伺えました。他の企業様にとっても大変参考にもなるのではないでしょうか。本日はありがとうございました。
※文中敬称略
TAKAMI HOLDINGS 様
https://www.takami-bridal.co.jp/
全国に支店を構えるほか、海外(ハワイ)にも食部門の支店を展開。ブライダルに留まらず、レストラン、フラワー、ジュエリーなど幅広いサービスで人生の節目を演出し、幸せを広げていく活動を行っておられます。
■社員数
833名(男性97名、女性736名) ※2022年6月30日現在
■事業内容
ブライダルコスチューム事業、ウエディングプロデュース&マイス事業、レストラン事業、フラワー事業、サービス事業